Foreign Talent 外国人人材について

労働市場の未来推計2030 人出不足の状況のなか 外国人を上手に活用し 「特定技能」の活用で打破する

足元の人手不足の状況

欠員率(常用労働者に対する未充足求人の割合)はバブル崩壊以降最高の2.4%を記録し、欠員数は121万人に上る。

帝国データバンクによると、従業員の離職や採用難等により収益が悪化したことなどを要因とする倒産、いわゆる「人手不足倒産」は2018年の1年間で153件発生。前年比44.3%の大幅増、3年連続の増加で、2013年の調査開始以降の最多を更新した。

  • 欠員数・欠員率の推移
  • 人手不足倒産の件数
  • 欠員数・欠員率の推移
    欠員数・欠員率の推移
  • 人手不足倒産の件数
    人手不足倒産の件数
  • ※未充足求人:事業所における欠員であり、仕事があるにもかかわらず、その仕事に従事する人がいない状態を補充するために行なっている求人。

出所:厚生労働省「雇用動向調査(2018年上半期)」、帝国データバンク「「人手不足倒産」の動向調査(2019年1月)」

2030年の人手不足状況

将来推計人口
将来推計人口
644万人が不足

人手不足対策

現在、日本は圧倒的な人手不足。定年の延長や廃止をする企業が増えたものの、シニア層は引退し、就労人口はどんどん減っています。加えて少子化が人手不足に拍車をかけている状況。足りない労働力をどう補うか、その答えの一つが「外国人労働者」の受け入れというわけです。

644万人の人手不足対策
644万人の人手不足対策

働く外国人を増やす

在留資格「特定技能」

2018年12月の臨時国会において、在留資格「特定技能」の新設を柱とする「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が可決・成立し、2019年4月1日より人手不足が深刻な産業分野において「特定技能」での新たな外国人材の受入れが可能となりました。

この在留資格「特定技能」に係る制度とは、中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていくものです。

特定技能の状況

特定技能の在留・許可状況は?

まず「特定技能」で在留している外国人材の人数を見てみると、特定技能14分野全て合計して令和2年6月末で5,990人となっていることがわかります。令和元年12月末が1,621人、令和2年3月末が3,987人でしたので、増加割合を見ると順調に増加しているように思えますが特定技能の制度創設時に想定されていた初年度(2019年4月~2020年3月)の受け入れ想定最大人数は47,550人の受け入れを見込んでおりましたので、その数字から見ると令和2年3月末の進捗率は約8.4%となります。47,550人というのはあくまで想定値ではありますが、当初想定の10%程度の進捗率となっております。

その原因として、法案の成立から施行までが3ヶ月と準備期間が短かったため、国内及び海外の制度の整備が遅れたことです。その中でも大きな原因は、送出し国の体制の整備です。「特定技能」制度では、外国人材と雇用する企業の間の直接雇用で、「技能実習」制度の「送出し機関」「受入れ機関(監理団体)」は存在しないことになっていました。この直接雇用では各国が管理できないとのことで、多くの国が「送出し機関」の経由を採用しました。この調整が半年以上かかったことにより受入が大幅に遅れたことが原因です。
当初想定の10%程度の進捗率ということは、「働く人材」「採用する企業」どちらにとっても活用しやすい制度になっていないことを表していると言えます。

これからは外国人人材が日本の企業の生産に大きく貢献できる環境がスピーディーに整備されていくことで外国人人材が日本での就業に意欲を持った優秀でバイタリティ溢れる人材が多く貢献してくれることでしょう。

特定技能外国人在数

法務省公式数字よりキャリアネクスト株式会社で作成